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神の汚れた手

Book 神の汚れた手 (下)

著者:曽野 綾子
販売元:朝日新聞社
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 この本は約20年前に出版されました。ですが、今 読んでもちっとも古さを感じません。

 主人公・野辺地貞春は産婦人科の中堅医師で、妙に飄々とした雰囲気の持ち主です。<人工中絶>という重たいテーマの中で、貞春さんのみならず、登場してくる人々の全てが生き生きと描かれているところが素晴らしいと思いました。魅力的な人がたくさんいます。

 さらに、<中絶>を簡単に悪いこととして書かれていないことも この作品の読みどころではないでしょうか。もちろん、中絶をいいことだとは思っていません。ですが、育てられない子どもを生んで、その子も親も幸せになれるのか?と考えると、一義的に生めばいいとも言えないだろうと。

 こんな葛藤をシニカルに扱っているところが凄いです。倫理観や道徳論を振りまいて<キレイゴト>で終わるのではなく、人間の生の感情が感じられました。

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